川崎幼稚園の事故に思う
まずご家族へ哀悼の意を捧げます。
18年前に幼稚園バスを見送っていた時を思い出してしまいます。同じ神奈川県の園児200人を超すマンモス幼稚園でした。送迎バスは4ルート位あったと思います。
親としては期待を胸に参加した入園式でまず驚かされました。教室の周りにロープが張ってあり「保護者は立ち入らないでください」とあります。式が始まるとビデオカメラを手にした保護者が押し合いです。おじいちゃんおばあちゃんも付き添いますから4-50人ほどの新入園児に保護者は200人程、大混乱です。それは運動会も学芸会もそうでした。学芸会は自分の子供だけの時の総入れ替え、演目は「桃太郎」でしたが桃太郎は3人出演していました。
そんな200人もいる保護者の中からPTA会長を決める時だけは皆、部屋の隅に行ってしまいます。話し合いでは結論が出なかったのでアミダくじにしましたが、それすら拒否する人が次々と出て、最後は一番年長と思えた妻が「私がやります」で決着しました。
そんな教育現場に失望し、小学校進学のタイミングで新川分校にUターン入学を決めました。5人の同級生、総勢20人の分校生活は息子の自主性やリーダーシップを育んでくれました。さらに熱心な保護者やお世話をして下さる地域の方たちに影響を受け、転勤族サラリーマンは大変身しました。
さて、川崎の事故を踏まえてMKRでは何をすべきなのでしょう。小学生なんだから、首都圏とは違うんだからで済ませてしまってはいけないと思います。
何度も繰り返して言いますが、我々MKRの役員はボランティアです。だからと言って甘えが許される訳ではなく、むしろ責任は重いのだと自認しています。
栗生の子ども会では新入一年生に対して「登校練習」をしています。かつて私も新川分校までの集団登校に10年近く付き添いました。もっとも今、愛子や落合で騒がれている熊出没のリスクが新川では高かった事情もありました。今、新川地域の小学生は上愛子小学校までスクールバスで通っていますが、毎年4月には育成会OGのベテランお母さんがバス停で待機してくれています。また、子ども会活動を広く理解していただけるよう、「宮城子連たより」広報誌を町内会を通じて配布しています。
地域で子どもを守る、地域と教育現場を結ぶ。コミュニティースクール構想のフィロソフィですが、その潤滑油になるのが我々子ども会育成会です。
MKR総会の際に、MKRが直接子ども達と接するイベントは見直していくとお伝えしました。そうしたイベントは単位子ども会にお任せします。今MKR役員の我々がやらなくてはいけないことは、子どもを中心とした地域のネットワークの再整備(宮城地区は既に組織がきちんと出来ています)や学校や町内会組織との連携強化だと思います。
子ども会の集まりをした時出欠確認をするのは基本のキです。そしてイベントが終われば全員が無事に家に帰るまで世話人の方々は心配です。その気持ちを原点にしましょう。世の中は分業制にどんどん移行し、その道の専門家に任せるのが最も合理的と見る空気がありますが、子育てはそうではありません。家に帰るまで心配して待つのが親の役目、送り届けるのが世話人の役目、そのネットワークと他の地域組織と有機的に結び付けていくのが連合会の役目と思い、これからも活動して参ります。
2022/9/8 MKR会長 小島 吉雄